じゃばらの歴史

じゃばらって?

じゃばらは昔から北山村のみに自生していた柑橘。
ゆずと九年母(くねんぼ)、紀州みかんなどの自然交配種で北山村しか栽培されていないため「幻の果実」といわれている。
ゆずやレモンにも似た香酸柑橘で独特な風味をもつ果物であるが、「じゃばら」を知らない人には、ちょっと馴染みがないかもしれない。
実はこの「じゃばら」近年、皮や果汁に含まれる抗アレルギー成分が、花粉による症状を緩和させるということがわかり、
様々なメディアで取り上げられるようになり、「じゃばら」の産地である北山村の一大産業となっている。

北山村って?

北山村は紀伊半島の中央部に位置し、南は三重県、北は奈良県に囲まれた東西20km、南北8km。
村の97%を山林と豊かな自然に包まれ、ゆったりとした時間が流れるなか、現在約400人が生活しています。
そんな小さな村ですが、”日本唯一”が3つもあります。

1.日本唯一の「飛び地の村」

昔から良質の杉に恵まれ林業で栄え、伐採された木材の輸送は川を利用して筏によって木材集積地の新宮まで運ばれた。
当時、北山村は人口の大半を筏師が占め、新宮木材業者と筏師は共存共栄、切っても切れない関係で成り立っていた。
明治4年、廃藩置県が実施され、新宮が和歌山県に編入された際、地理的に言えば北山は奈良県に属するところを
「新宮が和歌山県に入ったのならぜひ私たちも」との村民の意見を聞き入れ、和歌山県に編入された。
そして、明治22年には七色、竹原、大沼、下尾井、小松の5つの村が合併し北山村と改称、施行された。

2.日本唯一の「観光筏下り」

筏流しは、切り出した木材を筏に組み、川を流して下流の新宮市まで運搬する手段でした。
この筏を造る技術、筏を操る技を今に残し受け継ぐのが北山川観光筏下り。
観光筏下りとして昭和54年にスタートして以来、大自然の神秘、スケールが生み出す予想出来ないスリルと感動が評判を呼び、
シーズンとなる春から秋にかけては多くの方がやってきては日本唯一の観光筏を満喫されています。

3.日本唯一北山村にのみ自生していた「じゃばら」

日本で唯一北山村にのみ自生していた柑橘系の果実「じゃばら」。
酸っぱさの後に残るほんのりの苦味が独特で、まろやかな風味の中に隠れたこの味こそが年間通じ、加工品も含め2億円以上を売り上げる人気のワケ。
種がほとんどないことで、上述にもあるそのまま搾って果汁にしたり、また自宅でマーマレードや調味料として活用したりとその用途は様々。幅広い年齢に支持される食材として注目を集めています。